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2024-04-30
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住吉の長屋 (Row House in Sumiyoshi)

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新国立競技場コンペの審査委員長として話題になった安藤忠雄(Tadao Ando)氏。
建築をかじったことがあれば知らない人はいない超有名建築家ですが、彼の出世作である初期の住宅建築『住吉の長屋(Row House in Sumiyoshi)』をナノブロック化してみました。
住吉の長屋は1976年、安藤氏が35歳の時の作品。間口2間(約3.6m)、面積57.3m²の狭隘な敷地に建てられた、建築面積 33.7m²、延床面積 64.7m²の狭小住宅です。この狭小さを表現するため、可能な限り小さく作ることを目指し、10*10プレート2枚の上に200ピース以内で仕上げました。
正面ファサード。間口は5ポッチとしました。コンクリート打ちっ放しの壁に長方形の入り口のみで、窓さえありません。


そもそも住吉の長屋は三軒長屋の真ん中で、両隣からの採光は期待できません。安藤氏は建物全体をコンクリートの壁で覆ってしまいました。


そして建物を三等分し、中央を中庭としたのです。
これは中庭から部屋に光を取り入れるという目的の他に、建築基準法上の制限である『建ぺい率』を解決するためであると言われています。
建ぺい率とは敷地面積に対する建坪(建築面積)の割合のこと。住吉の長屋が建っている場所は建ぺい率が60%と定められており、建物は敷地の3分の2弱までしか建てることができません。中央部分を中庭とすることでコンクリートの箱を敷地いっぱいまで広げることが可能となったのです。


ナノブロック化にあたっては建物の奥行を17ポッチ(6+5+6)とし、中庭の様子が分かるよう、土台をフラット化して両側の壁を脱着可能にしました。


建物全体を真上から見た様子。2つのコンクリートの箱(居住スペース)がブリッジで繋がれています。


このブリッジには屋根はありません。(屋根があると建ぺい率オーバー)
また階段には屋根はおろか手摺さえも設置されていないとのこと。そもそも、1階の部屋同士も繋がっていないので、住吉の長屋では隣の部屋に行く時には必ず一度中庭を通る(=外に出る)必要があるのです。
『雨が降った日には傘を差さないとトイレに行けない!?』『建築家の横暴だ!』といった非難も巻き起こりましたが、安藤氏は意に介さなかったそうです。さすが天才。凡人には絶対に思い付かない発想ですね(笑)。


住吉の長屋が建築界に与えたインパクトは相当なもので、1979年には日本建築学会賞を受賞。安藤氏も世界的な建築家へと登り詰めていきます。


今でも賛否両論ある住吉の長屋ですが、『制約や条件がある中で何を優先し突き詰めるのか』という設計思想はナノブロックにも通ずるところがあるように感じています。 自分もいつの日かナノブロック界に一石を投じる問題作を作り上げ、発表できれば...と思っています。(`・ω・ ́)
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